タロットカード:大アルカナ 愚者

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最新更新日時:2019/03/08


空を見上げ、白い花を片手に、自由を歌っている青年。

「僕に重荷は似合わない。だって僕は自由なのだから!」

それを証明するかのように、自身の荷物は小さなカバンの1つだけ。

彼は一体誰なんだ? 彼は…………どこかの国の王子様なのだ。

一般的な意味

正位置

  • 楽観的
  • 自由な発想

逆位置

  • 無計画
  • 行き過ぎた自由への執着

タロットカードの絵の解説

絵から感じるストーリー

服が何よりも特徴的

タロットの世界では服によって貧富の差が描かれているのだ。

振袖があって、いろんな柄が描かれていると、 とても裕福な人間であることが伺える。

そして服の色使いも、4スートの王国の人々が着ている服とは、 全く異なる。 つまり、ワンド、カップ、ソード、ペンタクルの国の人間でもないと言うことが分かるのだ。

そして荷物の軽さから、旅人であることも分かる。 普通、裕福な家の人がこんな軽装で旅なんかしない。 ということは、「逃げてきた」と言うのが一番納得いく理由ではなかろうか? 裕福な人間が借金取りに追われるなんてことはないだろうし……

あとは考えられるのは、 王国での窮屈な暮らしから逃げてきた「王子様」が有力な説ではなかろうか。

人間の友、犬の存在

犬というのは昔からの人間の友人である。 そんな犬が王子様を見て、何かを話しかけている。

しかしこの犬は、王子様の飼っている犬なのだろうか? きっと違うだろう。 王国で飼われている犬ならば、 もっと毛並みがよく、服を着せられ、 もっと華やかな風貌となっているだろう。 だからこの犬は、言ってしまえば野良犬なのだ。

何故そんな犬が王子様に話しかけているか? きっとそれは、王子様の内側から溢れ出す魅力故なのだろう。 誰もが彼に手を差し伸べたい。 この王子はそう思わせる存在であるのだ。

王子に迫る危機

ここからはこの王子様が「愚者」と呼ばれる所以は、 描かれているこの「場所」にあるだろう。

上を向いて歌を歌うことなんて、誰にだってある。 しかし彼はどこで上を向いて歌を歌っているのだろうか? 「崖っぷち」で歌っているのだ。 しかも彼はその「崖」に気づいていない。 この調子で彼がもう1歩踏み出したら?

………………………

彼にはそこの野良犬がいる。 この犬は一生懸命、王子様に訴えかけているのだ。

「危ない!!! そこから離れるんだ!!!」

彼の耳に犬の声は聞こえているのか、 こればかりは、誰にも知ることはできないようだ。

象徴

  • 豪華な服 = 裕福な人
  • 犬 = 人間の友
  • 白い花 = 無垢

タロットカードと占星術の解説

照応

世界という枠からの脱出

天王星土星が定める物質世界という概念を崩壊させる存在。

タロットカードで土星は「世界」のカードだ。 愚者はその世界から与えられた課題を修得し、世界から離れようとする存在…… つまり、彼にとってこの崖は世界そのもの。

そして、これから彼が踏み出す先は宇宙の真理を目指す旅路。 彼は決して、愚か者ではない。 物質、霊、魂の関係に気づき、この宇宙という永遠、魂の永遠に気がついた賢者なのだ。

しかし、この事に気づかない者は、やはり彼を「愚者」と呼ぶのだろう。

リーディングのコツ

大アルカナの一番最初のカード。 それがいきなり「愚者」とは、出鼻をくじかれるカードだな、と思う。

分かりやすい例えをするならばこのカードは、 「バカと天才紙一重」 だと思う。

今、この絵のまま立ち止まっていれば「自由人」として皆が憧れる存在となる。 しかし、一歩踏み出してしまえば「愚か者」として皆から呆れられる。

でも人生なんてそんなもんだろう。 リスクをとらなければ成果は得られない。 ただできる限りリスクは取るべきでない。 つまり人が何かを実行するときは、 誰もがこの「愚者」と同じことをすることになるのだ。

あんまり、人のことをバカにはできないね。 私はできることなら、天才で留まっていたい。

このカードが出現した相談