人を説得するためには、まずは相手を理解しなければなりません。
そんな基本的なことを忘れた行動が、6/1に渋谷で行われた、アニマルライツセンターが行った「動物はごはんじゃないデモ」であると感じています。
「ヴィーガンとは何か」から始まり「このデモの問題点」を明示し、そこから「どのように活動していけば受け入れられるのか」という話をLIVE放送にて行いました。
ヴィーガンって何?
ヴィーガンとベジタリアンの違い
ヴィーガンというと「野菜しか食べない人」「牛乳や卵も駄目な人」というイメージが強いですが、ではベジタリアンとどう違うのか説明できますか?
実は私達がイメージとして抱いている「野菜しか食べない」というのは、ベジタリアンの定義のようですね。
ヴィーガンは「人間は動物を搾取することなく生きなければならない」という思想を持っている人たちの事です。 つまり、動物愛護の要素を持っているということですね。
菜食主義者の中でも動物愛護を意識して、革製品を使用しないとか、動物の保護活動をしている人たちは「ヴィーガン」と呼ばれます。
困ったヴィーガンたち
今回話題に上げた「動物はごはんじゃないデモ」についてですが、正直ヴィーガンのイメージダウンに繋がる行動ではないかと思っています。
この人達が行っている行動は、最終的には屠殺場の閉鎖などを求めています。 つまり、肉食文化の排斥運動を行っているわけですね。
本来、ヴィーガンというのはそのような攻撃的な活動を行う人達ではありません。 「動物にも命がある・心がある」という主張を持って「適切な飼育をしましょう」とか「娯楽のために命を奪うことはやめましょう」という啓蒙活動を行っている人たちです。
だから「お肉食べるだなんて野蛮人!」とTwitterで呟いて喧嘩したり、精肉店の窓ガラスを割る活動をする人たちは、ただの過激派であって、それがヴィーガンのすべてではありません。
こういった過激派たちが行っていることは、いわば宗教戦争と同じなんですよ。 宗教が違う人間は殺すことが正義!という戦争と同じことを彼らはしているんですよ。 「正義」ならば何をしても良いと勘違いをしている人たちなんですよ。
このような過激派のヴィーガンにより、穏健派のヴィーガンたちは困っているというのが現実のようです。
主張を受け入れてもらうための作戦
動物はおかずだデモの声明文が素晴らしい
動物はごはんじゃないデモのカウンターデモ、「動物はおかずだデモ」が発生しました。 その、動物はおかずだデモの声明文は以下になります。
以下のような文章が本当に素晴らしいと、私は感じます。
我々はヴィーガンという生き方や思想を否定しない。肉を食いたくない者自身が肉を食わないのは自由だ。ヴィーガンが飽くまでも個人的な生き方にとどまり他者に迷惑をかけない限り、どんなに意味不明に思えたとしてもとやかく言う必要はない。ほっとけ。
デモの中止は求めず、妨害もしない。肉を食う自由や肉を食う意思を表明する自由を行使する、平和的な非暴力デモである。
あくまでもこのデモの発起人は、ヴィーガンの考えを否定しないと仰っているんですよ。 つまり言い換えると、私達は共存しましょうと言っているんですよ。
本当に、この「共存」という姿勢が素晴らしいと私は感じています。
そして、動物はごはんじゃないデモの何が悪いかをはっきりと明記されています。 まさに、まさに、私が述べたい問題はここなのです。
そして、このデモはヴィーガンへの憎悪であってはならない。恨むべきは、ヴィーガンという生き方を選んだ人間ではない。他者の権利や自由を踏みにじる行為である。
声を大にして私も言いたいです。
憎むべきは、他者の権利や自由を踏みにじる行為です!!
そう。ヴィーガンが悪いのではないのです。 「他者の権利や自由を踏みにじる行為」が悪いのです。
ヴィーガンに対するヘイトを少しでも収めつつ、何が悪いのかをしっかりと明記した、素晴らしい声明文であると私は感じています。
理解してから理解される原則
7つの習慣に「理解してから理解される」という原則が書かれています。
本当に、その通りなのです。 相手に自分を理解してほしければ、まずは自分が相手を理解しなければならないのです。 過激派ヴィーガンたちはこの「自分が相手を理解する」という工程が抜けていて、自分の主張ばかりを押し付ける赤ん坊と同じです。
そのためまず行わなければならないのは、「私達がなぜ肉を食べるか」を考える必要があります。
- お肉が美味しいから
- 贅沢な気分になるから
- タンパク質を取りたいから
そのような回答をする人たちに「でもあなたが食べている肉は元々生きていたこんなにかわいい動物なんですよ? わかってますか?」なんて冷水を浴びせるから、反発されるんです。 私だってこんなことを食べてる最中に言われたら一発ぐらいお見舞いしたくなるものです。
そうではなく、「そうなんですね! お肉があると幸せな気分になるんですね!」と共感してあげることが大切なんです。
勘違いする人がいらっしゃいますが「共感をする」と「同意する」は同じ意味ではありません。 共感したからと言って、その考えを肯定したことにはならないんですよ。
相手は自分の話を受け入れてくれる、という安心感を持ってもらう事が、説得の第一段階で必要な事です。
まず過激派達はこのことを知り、実践する必要があるように思います。
理解の次は心理テクニック
この項目は余計かなぁ、と思いつつも書いちゃいます。
この「理解」の工程を終えると、次は「説得」の工程に入ります。
「でもそのお肉はこんなかわいい動物たちが殺されて作られているんですよ?」 といきなり言ってしまうと、やはりまだ反発を食らうでしょう。
まずは自分たちの発する会話の中で、相手にYESと言わせる必要があります。
「この料理を食べて頂いてもいいですか? おいしいでしょう! 実はこれ全部野菜なんですよ!」 という流れで「そうですね」と言わせます。
そこから「お肉はやはり命を奪って作るものですから、1食でも良いので菜食にかえませんか? 野菜だけでもこんなに満足感を得られる食事があるわけですから」という話の展開はいかがでしょう。
実際に、セールスで使われているテクニックではありますが、そのように話を持っていくと、抵抗感なく説得に成功することができます。
上手く、上手く、やっていきましょうよ。過激派の皆さん。
人を説得するためには作戦が必要
今回に限った話ではなく、どこでも「説得」という行動は必要になります。
自分の望む未来を得るために、人を動かさなければならない時が絶対あります。 その時にこの説得までの手順を踏んでくださいね。
「共感」してから「相手に肯定してもらい」、最後に「説得」です。
人生を上手く乗り越えるためにも、是非この順番を忘れずに「説得」を行ってくださいね。