タロットカード:大アルカナ 恋人

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最新更新日時:2019/03/08


真ん中に大きく描かれている天使の姿。 その左右に、2人の男女が描かれている。 この2人の正体は、案外有名だろう。

そう。 神話に出てくる「アダム」と「イブ」なのだ。

一般的な意味

正位置

  • 正しい選択
  • 善悪の分別がついている

逆位置

  • 誤った選択
  • 目の前の誘惑に目がくらむ

タロットカードの絵の解説

絵から感じるストーリー

恋人のカードは幸せなカード?

中学生の頃、ネットでタロット占いをして、 恋人のカードが出ると喜んだものだ。

けれど本当は、別に喜べるカードではない。 悲しいカードでもないけれどね。

何故なのか? 理由は簡単。 この後、「アダム」と「イブ」は幸せになりましたか?

神話でのアダムとイブ

答えは「幸せにならない」だ。 神話を思い出してみよう。

楽園には善悪の知識の木が植わっているのだ。 その木になる実は禁断の果実と呼ばれ、 絶対に口にしてはならなかった。

そこへ蛇がやってきてイブにこう言った。

「食べちゃいなよ! きっと美味しいぞ〜」

こうしてイブは禁断の果実をもぎ取り、 アダムの元へ訪れた。

そして、アダムと共に、その禁断の果実を食べたのだ。

食べた瞬間、2人は裸である事がとてつもなく恥ずかしい事のように思えた。

様子のおかしい2人を見た神様は、 2人が禁断の果実を口にした事に気がついた。

禁忌を犯したアダムとイブは、 楽園を追放されたのでした。

イブは「選択」をした

蛇の誘惑に乗るという「選択」をイブがしたことがきっかけだった。

そして、「アダム」と「イブ」は人類初の恋人とされている。 そのため、「恋人」自体がこの「選択」を指しているのだろう。

このカードは悪いカード?

この後、2人が不幸になるのであれば、 恋人のカードは不幸なカードなのだろうか?

答えは、否。 何故なら天使が2人を祝福している様子が描かれているからね。

そして、イブは果実を持っていない。 確かに蛇はそそのかしにきているが、 この時点でイブは食べないという「選択」をしていたのだ。

ただ気持ちが揺れているのは確かだ。 だから「いいカード」とも「悪いカード」とも言えない。

……というのが私の持論だ。

象徴

  • 蛇 = ずる賢い生物
  • りんご = 禁忌という誘惑

タロットカードと占星術の解説

照応

浮ついた心は変わりやすい

変化をつかさどる星座と言えば、双子座。 この星座が「恋人」のカードに当てられているというのは、何とも皮肉なことだなぁ、と感じる。

恋人のカード自体は選択を表すため、実際に行動ではちょこまか動いてはいないだろうけれど、心の中はそうではないだろう。 どちらの選択がより良い結果を産むのか、いろんなことを想定して、いろんな可能性に思考を巡らせているはずだ。

その様はまさに双子座のフットワークの軽さが表れているだろう。

様々な可能性を見つけ、検討することはとても良い事である。 しかしそれが行動として優柔不断になってしまう事はいただけない。

恋人はそんな思慮深さと優柔不断さの二面性を持っているカードである。

リーディングのコツ

恋人が出てきたら 「何かを選ぶ状況にあるんだなぁ」って思う。

例えば、片思いをしている人に恋人のカードが出てきたら、 新しい素敵な人が現れるのかな、って思う。 思い人を「選択」しなきゃならないからね。

それにしても「恋人」にアダムとイブを持ってくるのは罪深いカードだなぁ、と思う。

だって、勘違いしやすいじゃない? 勘違いした結果、わーい♪♪って思うわけじゃない?

けど、そうやって喜んだ時点で、 彼女は相手の事が好きで仕方がなくて、 次の行動にむけての覚悟することを「選択」するんだろうね。

なかなか、重たいカードだなぁ。

このカードが出現した相談