最新更新日時:2019/03/13
男性の目の前には、 棒、杯、剣、金貨が置かれている。
そして右手を上げて、何かを行おうとしているのだ。
何かは言わずもがなだろう。 彼は誰にも成しえる事の出来ない「魔術」を使おうとしているのだ。
一般的な意味
正位置
- 無から有を生む
- 柔軟な発想
- 溢れるエネルギー
逆位置
- あるものさえも上手く扱えない
- 固定概念に囚われている
- 枯渇したエネルギー
タロットカードの絵の解説
絵から感じるストーリー
目の前にある4スート
目の前にタロット上に出てくる4スートが置かれている。
ちなみに、各スートは以下の属性を示している。
- 火 = ワンド
- 水 = カップ
- 風 = ソード
- 土 = ペンタクル
つまりここでいう魔術師というのは、 ドラクエでいう「まほうつかい」 FFでいう「黒魔導士」
4種類の属性を自在に扱える人というわけだ。
この力は誰にも備わっているわけではない。 彼の頭の上にある、無限を示すマークが、 彼が無限の可能性を手に入れている、 神に近い存在であることを示しているのだ。
神に近い存在とは
もう一つ、神に近い存在を示している事柄がある。 それが、彼のポーズにある。
このポーズについては、いろんな説があるようだ。 福沢諭吉の「天の上に人を造らず、天の下に人を造らず」 を示しているという説と、 釈迦が生まれたときのポーズ&発した「天上天下唯我独尊」 を示しているという説があるようだ。
ちなみに私は、後者の説が有力ではないか、と考えている。 1900年頃に書かれた書物をタロットに取り入れるよりも、 2500年もの歴史のある言葉を取り入れた方が、 万人に伝わりそうだ、という単純な理由なんだけどね。
釈迦のいう「天上天下唯我独尊」
この言葉はこういう意味のようだ。
『自分という存在は誰にも変わることのできない人間として、生まれており、この命のまま尊い。』 引用元:http://serendipity-japan.com/tenjyotengeyuigadokuson-1032.html
そう考えると、この魔術師のポーズというのは、 「自分」という存在を自分でしっかり認めているのだ。
この「魔術」という能力に驕るわけではなく、 ただただ「自分」という存在を認め、 悟りを開いている人間であることを示しているのだと思う。
実はこの魔術は偽物
「魔術師」というタロットカードの歴史をたどっていくと、 「奇術師」という記述がされていた時期があるようだ。 奇術師というのはつまり、手品師。
確かに、魔術師は、「マジシャン」 手品師も「マジシャン」 ということは……
「奇術師」=「手品師」=「マジシャン」=「魔術師」
そういうわけで、 この魔術師は本当に魔法を使えるわけではないと思っている。
とはいえこのカード自体は 「不可能と思われることを可能にする」 「無から有を生む」 というカードであるから、 魔術師だろうが奇術師だろうが、どちらでもいいのだ。
大切なのは彼が持っている「自信」の一点だと 私は考えている。
象徴
- 彼のポーズ = 天上天下唯我独尊
- 各4スート = 4元素
- 無限のマーク = 無限の可能性
タロットカードの照応の解説
照応
- 占星術 : 水星
四大元素を繋げる者
水星は何かと何かを繋げる存在。 それは人とでもあり、知識とでもあり、概念とでもある。
魔術師のやるべき事は、目の前にあるワンド、カップ、ソード、ペンタクルをどのように繋げるかを実験し、知識として蓄える事だ。 そしてその知識を世に広め、知識と知識を繋げる役割も果たすのだ。
彼の行なっている事は奇妙に見えるかもしれない。 しかし、彼がいなければ世の中が発展する事は叶わないのだ。
リーディングのコツ
このカードが出たときは、
「この人は何かを成し遂げようとしているのだろうな」
と思う。 人の感情を占う時に、このカードはあまり出てこない。
出てきたときには是非、事の成り行きを見守って、 無から生み出す有を見届けたいと強く思う。
それにしても、この「自信」ってどこからくるんだろうね?
悟れば出てくるものなのかな?
人間生きてれば、根拠のない自信で乗り越えなきゃならない時もあるだろうしね。 そういうときにも、このカードが出てくるのかもしれない。