タロットカード:大アルカナ 女帝

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最新更新日時:2018/11/17


王冠をつけた女性が、 フカフカのクッション付きの椅子に座っている。 近くには川が、森が、麦畑があり、豊かな大地であることが伺える。

この場所一帯すべてが、彼女の所有物なのだ。

豊かな土地の中で暮らす彼女は、 子どもを身籠っており、 自身を、子どもを、この国の民のすべてを そのハートの盾で守り抜くのである。

一般的な意味

正位置

  • 愛情に満ち溢れる
  • 不自由のない暮らし
  • 豊かな人間性

逆位置

  • 情に流される
  • 愛の枯渇
  • 物資の不足

タロットカードの絵の解説

絵から感じるストーリー

ヴィーナスの盾

彼女の持っている盾がとても目立つだろう。 この盾には愛と美の女神であるヴィーナスの象徴が描かれているのだ。

しかしこの盾が実用的かというと、 そうではないだろうね。 人を剣から守るには小さすぎる盾だ。 ましてやお腹の子を守るのであれば、 もっともっと大きな盾が必要になると思われる。

当然だ。 この盾は物理的な攻撃を守るためではない。 どちらかといえば、愛で世界を包むための盾だ。

世の中に愛情が溢れれば、きっと戦争なんて起きないだろう。 彼女は「愛」でこの国を統治しているのだ。

豊かな大地

もう一つ、彼女の周りの状況に注目していただきたい。

こんなにもたくさんの麦が植わっている。 そして、清らかな川が流れている。水にも困っていない。 後ろの森は青々としている。木の実だってたくさん取れるだろう。

つまり、この国は飢え苦しむ心配が必要ないのだ。

飢えがなければ、争い事も生まれない。 のびのびと暮らすことができる。 だからこそ、彼女は安心して、 自分の子どもを生むことが出来るのだ。

女司祭と女帝の違い

女司祭も女帝も、どちらも女性であり、 民に頼られる存在であるだろう。

しかし、両者には決定的な違いがある。

それは、女司祭は青を基調としているのに対し、 女帝は赤を基調としている事だ。

青は神秘性……つまり、神に近い存在であることを示す色であるが、 女帝は情熱……つまり、人に近い存在であることを示しているのだ。

この女帝は「神の教え」よりも「民の声」に耳を傾ける人なのであろう。 故に、この女性は人間味があり、とても温かい人格の持ち主なのだ。

しかし、彼女はどうしても、情に流されやすい。人間だからね。 本当に困って仕方がない時には、 女帝の方から女司祭の元へ相談に行くことがあるのかもしれない。

象徴

  • 麦 = 豊かさ
  • ヴィーナスの盾 = 愛と美の女神
  • 赤い椅子 = 情熱的

タロットカードと占星術の解説

照応

人々の心を一つにする力

金星は人と人を結びつけ、愛を生み出す。 また、何を「価値のある物」とするかは金星が決めていることだ。

女帝は安心できて、穏やかに生活が出来る事こそ「価値のある物」とされている。 その価値ある物を提供してくれる配偶者の存在を、離さず、しっかりと掴んでいる証拠が、彼女の妊娠だ。

この女帝の子は、王国の人々の心をしっかりと掴んで、心を一つに結束させることになるだろう。 そうすることにより、より豊かに、より安らかな生活が保証されることになる。

これは全て、金星の力なのだ。

リーディングのコツ

付き合っているカップルには是非出てきてほしいカードNo.1!

愛って大事よ。本当に。

ただこのカードは、愛に溢れるというより、 根本は「子孫繁栄」にある気がする。

この国が栄えるためには、まず子を増やさなければ。 子を増やすためには、飢えを解決しなければ。 ……と対処していった結果がこれなのかなと思う。

だから本当に「愛情」のままに突き動かされた人というよりは、 政策の一つだったのかなぁ、っていうのが正直なところの感想。

まぁ、大アルカナなんてね。 エネルギーが強すぎて、人間味はないからね。

私がこのカードに感じる、何とも言えない気持ち悪さは、 愛を作戦の一つとして使っている印象を受けるからなのだろうなと思っている。

実はこのカードとはあまり仲良くなっていないこともあり、 読み込み不足なところが多い…… ひと段落ついたら、このカードとは再度向き合わなければなぁ。

このカードが出現した相談