人を動かす を読んでみた


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人は苦い汁よりも1滴の甘い蜜を好むものです。

人を動かすための心構えを181個のエピソードと共に紹介している本となります。 181個の教訓を3つの分類に振り分けて解説を行いました。

人を動かす (著:デール・カーネギー、訳:弓場隆)

教訓の大三要素

181個の教訓は以下の3つに分類しました。

  1. 事実・原則
  2. 自分の他人への接し方
  3. 自分自身の在り方

事実・原則

苦い汁より一滴の蜜」という言葉に、この本のすべてが集約されているように私は感じました。

人間とは感情動物で、自尊心を満たしたいという欲求に振り回されて行動をする生き物です。 それであるが故に、わざわざ苦い汁を飲みに行くキワモノは少なく、基本的には少量の甘い蜜の方が好まれるのです。

自尊心を満たしたい

人は他人よりも自分自身に興味があります。

自分という存在を認めてもらいたい、褒められたい……

その欲求を満たすためだけに行動していると言っても過言でない程に、この「自尊心を満たしたい」という感情は強いものなのです。

だからこそ、相手を動かしたいと思う私達は

  • 相手を思いやる
  • 相手の話を聞く
  • 相手を称賛する

といった行動がとても大切になってくるのです。

人を動かすための愚策

相手にとって興味の沸かない事柄や自尊心を低下させる行動は、当然ながら反感を買います。 それ故に、以下のような行動は愚策と言えるでしょう。

  • 自分の自慢話
  • 相手を非難する
  • (相手を打ち負かすことを目的とした)議論をする
  • 相手の名前を覚えない

また、相手のためを思った行動ではなく、自分の保身のための行動も良い印象からは遠ざかります。 「お世辞」もその一つで、その場はやり過ごせてもいずれボロが出て

あぁ、あの言葉はお世辞であって本心からの言葉ではなかったのだな。

と気づいてしまうものです。 同じ相手を気持ちよくさせる言葉を述べるのであれば「お世辞」よりも「心からの称賛」にするのが得策といえるでしょう。

自分の他人への接し方

事実・原則の時点で取るべき行動は明確であると思います。 「自尊心を満たすこと」です。 ここでは具体的に自尊心を満たす方法と、その上でどのようにして人を動かすかをご紹介します。

自尊心を満たす方法:相手に関心を持っていることを伝える

基本的には「貴方に関心を持っていますよ」というメッセージが伝われば、自尊心を高めてくれる存在として心を開いてもらえます。

  • 相手を褒め称える
  • 相手の願いを聞く・叶える
  • 相手の話を聞くことに徹する
  • 相手を優先する
  • 相手の名前と誕生日を覚える

これらをすることで、相手の心を開き、動かすための下準備が整います。

NG行動

相手の自尊心を満たす行動の反対の行動もご紹介いたします。

  • 相手の間違いを認めさせる
  • 相手を批判する
  • 相手に恥をかかせる
  • 相手を叱る

当然ながら、上記のような行動を取った相手に対して、好印象を抱くことはないでしょう。 心を閉ざし、こちらの言葉が拒まれることに繋がります。 つまり、相手を動かすことができなくなってしまう行動となるのです。

人を動かす方法:相手の願いの方向へ導く

人は望むものが手に入ると思ったら、止められたとしても行動したくなるでしょう。 その衝動を、私達は利用するのです。

例えば、子どもが「ゲームがほしい!」と親にねだっていたとしましょう。 そんな子どもに「あなたのために好きそうなゲームを買ってきたわよ」と渡したら、当然子どもは喜び夢中になってゲームで遊ぶでしょう。

しかしそのゲームは実は勉強に繋がるゲームだったとしたら?

実際に、私が幼い頃に桃太郎電鉄というゲームを親から買い与えられ、日本の地名を覚えるために大変役に立ちました。 「勉強をさせたい親」と「ゲームをしたい子」の、一見相反する願望をうまくすり合わせた結果、どちらもが目的を達成することができたのです。

それを、相手に対しても行うのです。 相手の願望と自分の願望をすり合わせて、どちらもが目的を達成できる方法を模索するのです。

「あなたの願望は私の願望でもある。だからあなたを全力で応援するわ」

そんな姿勢が、相手を気持ちよく行動させるのです。

人を動かす方法:プライドを尊重する

「生まれながらの悪人はいない」という言葉があります。 実際に人は、可能であれば善人でありたい生き物であるという実験結果があるほどです。

  • 勝ちたい
  • 称賛されたい

そんな気持ちを、私達はうまく活用するのです。

あえて競争に持ち込むことも一つでしょう。 そして、その競争であえて負けてあげるのもまた一つでしょう。

私が塾講師を行っていた時、漢字嫌いの小学生と漢字バトルを行いました。 「先生は算数しか得意じゃないの。だから、あなたといい勝負になるかもしれないわね」 なんて言いながら始めたバトルでした。

結果は、まさかの1問差で小学生の勝利でした。(一応私は本気で挑んだのに(笑))

当然のことながら、その子は周りの子にそれを自慢し、他の先生にも自慢し、塾中で「私は先生に漢字バトルで勝った!」と話を広めました。 他の子からそのバトルの話は本当かと聞かれました。事実なので頷くしかないので、それがまたその子の自尊心を高める結果となったのでしょうね。

最終的にその子は漢字を「好き」にまではならなかったものの、新しく覚えた漢字を私に誇らしげに教える程度には漢字を好きになってくれました。 「先生」としては、勉強の楽しい部分を見つけてくれたのなら本望です。

それを、相手に対しても行うのです。 相手のプライドをくすぐり、称賛される環境を作ってあげる。 そんな雰囲気が、相手を自然と動かすことに繋がるのです。

人を動かす方法:指摘は友好的に行う

どうしても相手に対して指摘を行わなければならない時もあるでしょう。 物事をより良くしていくためには、時には相手の意にそぐわないことを言わなければならないこともあるでしょう。

その場合は以下の事に気をつけて指摘をしましょう。

  • 相手と友好的な関係であることを伝える
  • 指摘と悟られないようさり気なく伝える
  • 自尊心を傷つけないように柔らかい表現で伝える
  • 提案の形で伝える
  • 相手を称賛した後に伝える

基本的に人は認められたい生き物です。 だからこそ、わざと評価を落とすような行動を取ることは基本的には行いません。 そんな中で「おまえは間違っている」と正面から言われてしまうと、自尊心が傷つき、心を閉ざし、相手は動かなくなってしまうものなのです。

例えば、仕事を一人で抱えすぎてパンクしている人に対して、他者へ仕事を分散させたい場合、以下のように伝えるのはいかがでしょうか。

「あなたは日頃から周囲に目を配り、細かい部分に気づいてくれるのでとても助かっているし感謝しているわ。そんなあなたにだからこそ、もっと活躍してほしいと私は心から願っているの。そこで、あなたの後輩を育てるためにも、あなたの仕事の一部を後輩に分けてあげられないかしら? そうするとあなたはもっと動きやすくなると思うし、後輩も成長できて一石二鳥だと思うのよ」

このように伝える事によって、言われた人はひどく気分を害することはないと思われます。 少なくとも「現在の貴方のタスクは貴方の処理能力超えてるから、ちゃんと他の人に仕事を回しなさい」と言われるよりは行動に起こしやすいと思います。

何事も、言い方一つで人は動いたり動かなかったりするものなのです。

自分自身の在り方

ここまでご覧になった方は、既にお気づきかと思います。

人を動かすために心がけるべきことは

  • 相手に思いやりの心を持つこと
  • 相手を称賛すること
  • 相手の願いを叶えようとすること

逆に行ってはいけないことは

  • 相手と議論をしないこと
  • 相手を裁かないこと
  • 自分の正義を貫かないこと

これらの事を意識することで、自然と「人を動かす」事が容易な環境・言動となっていきます。

些細なこと、当たり前のことではありますが、それを「知っている」と「やっている」では大きな違いがあります。 「人を動かしたい」と思われる方は、ぜひこれらを意識して行動していただければと思います。

総評

181個のエピソードは、内容が被っていたり、あちらことらへ飛んだりして、決してまとまっているとは言えないものではありました。

しかしやはり「エピソード」というのは人間に対して影響を与えやすい伝え方であるとつくづく思います。 「実際に活用してみよう」と思わせる力が強いのが、「エピソード」なんですよね。

行動してみたいとは思うものの、まとまっていないからどこから手をつけてよいのかわからない……

と思っていたからこそ、LIVE放送を通して本記事のように整理したことは、私にとっても良い影響だったと感じています。

まとめてみると「大したこと言ってないな」「目新しいこといってないな」と思われるかもしれません。 でも、事実・原則・真理というのは不変であって、語り手によって変化するものではありません。 だからこそ「実際に活用してみよう」と思わせてくれる「エピソード本」というのはとても大切だと私は感じます。

そういう意味でこの本は「★4.5」と捉えています。

うまく人を動かしたいと思われている方は、ぜひこの本を一読してみてください。